命日

ベッド 花 エッセイ

昨日は父の命日でした。1年前、妹から父が亡くなるかも…との電話を受けて病院に行きました。以前会ったのはそこから5年前。私は父が入院していたことを知りませんでした。妹と連絡をとるのも1年ぶりで、その間に認知症の母は入院、父が施設に入り、コロナ渦での入院でした。妹が1人で手続をやってくれていました。その間の我が家では、娘が結婚し初孫が誕生していました。「じっちに報告したい」と娘が言っていのでした。私が両親との関係に苦しみ疎遠になったことで、子供たちも祖父母に会いにくくなりました。私を憎んでいるであろう両親に、娘が会いに行ったところで傷つけられたらどうしよう。しかもコロナだし…と避けていたのでした。

病院に着くと妹が「もう目もほとんど見えてないから」と言いました。父は私を妹の娘と思ったようで、妹が「お姉ちゃんだよ」と言うと「ああ、お姉ちゃんか」と言い、5年の空白などなかったかのように、ごくごく普通の会話をしました。痴呆のため、会話は全くかみ合っていなかったのですが。父が妹に「お前と食事に行くことだけが楽しみだ」と言いました。死にそうな気配などなく、妹も「大丈夫そうだね」と言うので、22時頃に帰宅しました。が、翌朝5時頃に再び妹から連絡があり「亡くなりました」再び病院に行き、私の到着を待って妹と二人で医師の死亡宣告を受けたのでした。医師が「昨日亡くなっていてもおかしくない状態でした」と言いました。昨夜は大丈夫だと思ったのに。私が「苦しまなかったんでしょうか」と尋ねると「苦しくはなかったはずです」と医師が言いました。人って死ぬんだな…止まった。死んでいるけど、なんだかピンとこない…そんな感覚でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました